初秋の熊野古道

                                                    長 俊次



10年も前のこと、

熊野体験博



蟻の熊野詣で周知されている熊野古道を歩いた。

もう10年も前のこと、熊野体験博が開催されたとき、私は参加した。
中辺路の滝尻王子から湯川王子まで一日がかりで歩いたことがある。

九月の台風の後で、他に道行く人もなく、
途中、牛馬王子の石像のある、かなり険しい山道も
一人で黙々と歩いたことを覚えている。





今回の

熊野古道



一日目は

今回は残暑厳しい中、バスで移動し、野中の一方杉・櫻継王子辺りを散策し、
民宿で泊まった。その夜、皆既月食のハプニングも記憶に新しい。


二日目は

早朝からバスで移動した。終点の
発心門王子から猪鼻・水呑・伏拝・祓所の各王子を経て、
本宮大社まで三時間を掛けて歩いた。
バスで湯の峰温泉は小栗屋に泊まる。


三日目は

早朝から有名な「つぼ湯」に入ったりしてから、強烈な大日越えを最後に大社へ。
ここで、今回の熊野詣は終えた。


すでに、熊野は初秋。とは言え暑いハイキングだったが、
一同無事元気で帰ることが出来たことが何よりでした。



九十九王子
について



平安朝時代から本宮・新宮・那智のいわゆる熊野三山に対する信仰が深まり、
蟻の熊野詣と言われる行事が行われてきた。


大阪の窪津王子に始まって、終点の浜の宮王子に到るまで九十九の王子塚がある。
それぞれの王子にはその土地に相応しい名前が付けられているおり、
それぞれの特徴を表して面白い。


因みに、小栗屋の女将さんに王子とはどういう意味かと、
訊ねたところ、「王子とは休憩所です」とドライな答えが返ってきた。


九十九王子一覧
城南宮 八軒家船着場 窪津王子 坂口王子 郡戸王子 上野王子 阿倍王子 津守王子 境王子 大鳥居王子
篠田王子 平松王子 井ノ口王子 池田王子 麻生川王子 近木王子 鞍持王子 鶴原王子 佐野王子 籾井(樫井)王子
厩戸王子 信達一ノ瀬王子 長岡王子 地蔵堂王子 馬目王子 中山王子 山口王子 川辺王子 中村王子 吐前(吐崎)王子
川端王子 和佐王子 平緒王子 奈久知王子 松坂王子 松代王子 菩提房王子 藤代王子 藤白塔下王子 橘本王子
所坂王子 一壷王子 蕪坂王子 山口王子 糸我王子 逆川王子 湯浅(久米崎)王子 津兼(井関)王子 河瀬王子 東の馬留王子
沓掛王子 西の馬留王子 内ノ畑王子 高家王子 小中王子 比井王子 松原王子 善童子王子 愛徳山王子 九海士王子
岩内王子 塩屋王子 上野王子 津井(叶)王子 斑鳩(富の川)王子 切目王子 切目中山王子 岩代王子 千里王子 三鍋王子
芳養王子 出立王子 秋津王子 万呂王子 三栖王子 八上王子 稲葉根王子 一ノ瀬王子 鮎川王子 滝尻王子
不寝王子 大門王子 十丈王子 大坂本王子 近露王子 比曽原王子 継桜王子 中ノ河王子 小広王子 熊瀬川王子
岩神王子 湯川王子 猪鼻王子 発心門王子 水呑王子 伏拝王子 祓戸王子 本宮大社 湯ノ峯王子 速玉大社
浜王子 佐野王子 浜の宮王子 市野々王子 多富気王子 那智大社